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私傷病の休職期間は年次有給休暇の出勤率算定時にどう扱うのか?   ( 2015.10.20 )

 社員さんが業務外の私傷病で就業規則の定めに則り休職しました。次の年次有給休暇付与日が到来しました。出勤率を算定するにあたり休職期間はどう扱うのでしょうか?

 

まずは出勤率の計算方法のおさらいです。

出勤率=出勤日/全労働日

全労働日とは年間歴日数から所定休日を引いた日数です。

出勤率が8割にならないとその年の年次有給休暇は発生しません。

 

さて、問題の休職期間。ちょっと調べると「分子にも分母にも入れない」とか「分母に入れる」とか意見がいろいろで困惑してしまいますね!

 

正解は・・・・・「どっちも正解!!」

法律では規定がないのです。それでどちらも正解。

 

通達はどうなっているのでしょうか?

昭和31年2月の通達(基収489号)では休職が発令された期間は労働が免除されているので年次有給休暇は請求できないとしています。

「全労働日とは労働義務のある日である」という判例も平成4年2月に出ています。

労働義務のない休職期間については分母にも分子にも含めないという考えは上記を根拠にしていると考えられます。

 

一方、平成25年7月の通達(基発0710第3号)では 年次有給休暇算定の基礎となる全労働日の取扱いについて、労働者に責があるか否かで全労働日に算入するかしないかを判断するとしています。

これによれば私傷病は労働者に責がありますから出勤率計算時には分母に入れても問題はないと考えることが可能です。

 

労働基準監督署等に問い合わせると法の意義から分母にも分子にも入れない方をお勧めされます。

労働者に安心して働いてもらうには分母に入れない方がいいのは当然です。

自社の取り扱いをどうするのか、就業規則にきちんと定めておくと良いですね!!

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